お知らせ(4.5 更新! NEW!)

連日の真夏の猛暑がようやく一息ついて、季節は少しずつ前へ進もうとしています。この秋の始まりの季節、響き館では、31日(土)より、「絵本に見える家族の風景」と題して、家族をテーマにした絵本を特集いたします。元々「大人が子ども達に読んであげる」という性格上、家族をテーマにすることの多い絵本ですが、今回選りすぐられた国内外の作品には、実に多様で、味わいに富んだ家族の風景が描かれています。それは、私達読者が、改めて自分の家族を見つめ直す、よいきっかけとなるかも知れません。

 

今回のおすすめ絵本「マールとおばあちゃん」(ブロンズ新社 館内にて販売中)は、明るく天真爛漫な女の子マールとおばあちゃんとの間の深い心の絆を描いたベルギーの絵本。大好きだったおばあちゃんはある日突然倒れて、言葉を失ってしまいます…。改めて人の可能性を信じさせてくれる、愛情に溢れた物語はもちろん、特筆すべきは、本作で初めて日本に紹介される、K.ヴェルメールの描く絵画の美しさ。エッチングや木版画、コラージュなどの混合技法で描かれた独自のイラストレーションは、まるで美しい絵巻物のよう。紙の質感、手触りにまでこだわった装丁も素敵な、まさに宝物といえる一冊です。(今回、当絵本をお買い上げの方には、ヴェルメールの美しいイラストによるオリジナル・メッセージカードをプレゼントいたします。※先着順、数に限りあり

 

どうか、それぞれの作品を手に取っていただき、絵本の中に見える様々な「家族の風景」に、それぞれの想いを重ねてみては如何でしょうか。

 

※29日(木)30(金)は展示替えのため、休館いたします。

                     

11日(日)午後、夏のコンサート企画として、「ケルトの森のハープリサイタル」を開催しました。当日の京都の最高気温は39度、「京都の夏は暑い」とは言え、まさに今年一番の暑さとなりました。出演は、アイリッシュ音楽のデュオ「生梅」のハープ奏者、梅田千晶さん。響き館では、2度にわたり、「生梅」として出演、イーリアンパイプス&ホイッスル担当の中原直生さんとともに、アイルランド、ケルトの素晴らしい楽曲を楽しませてくれましたが、今回はハープソロのリサイタルということで、また新たな魅力を発揮してくださいました。得意とされているアイリッシュ、スウェディッシュの伝統音楽はもちろん、クラシック~現代、ポピュラー曲、日本の曲まで、その多彩なレパートリーを、興味深い解説とともに楽しませてくださいました。また今回は、ケルトの森にちなんで、森の映像や環境音(鳥のさえずり)とのコラボという、新しい試みも取り入れてみました。それにしても、特にこのアイリッシュハープの音色は、響き館のこの空間によく似合います。途中で説明してくださったのですが、このような無垢材の床や壁、天井の空間では、空間全体が共鳴箱になって、まるで大きな楽器に包まれているように感じるのだそうです。その説明通り、本当にこの猛暑を一時忘れて、心地よい音楽の風に心和まされる・・・そんな素敵な一日となりました。この秋に、スウェーデンへ移住されることになった梅田さんですが、まさにケルト音楽の本場での益々のご活躍が楽しみです。ご多忙の中、このコンサートために熱心に準備をしてくださった梅田さん、そしてまたこの夏一番の猛暑の中、遠く会場まで足を運んでくださり、この温かいひとときを共有してくださったご来場の皆様、本当に有難うございました。

8月11日(日)、真夏の休日の午後のひととき、心地よいアイリッシュハープの調べを味わえるコンサートを開催することになりました。出演は、アイルランド音楽のデュオ「生梅」として2度にわたり素晴らしいライブを楽しませてくださった、ハープ奏者の梅田千晶さん。今回はハープソロのライブということで、アイリッシュハープならではの繊細で美しい音色の響きを通して、その確かな演奏技術と、アイリッシュ、ケルト音楽に対する造詣の深さ、多彩なレパートリーを堪能していただけます。公演終了後恒例のティータイムでは、開催中の企画展「音を奏でる絵本」の作品をゆったりお楽しみいただけます。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

 

ご予約の受付開始は28日(日)正午~、先着順となります。内容詳細とご予約方法などはメニューの「イベント」をご覧下さい。

昨日、響き館では6回目となる朗読コンサート「絵本とジャズの調べ」が開催されました。出演は、ジャズボーカリストの樋口みづほさんと、ジャズピアニストの佐藤由行さん。お二人の共演は、2011年春の開館一周年記念コンサートから毎年続き、今回が三度目となりました。今回は「詩情溢れる絵本のひととき」というサブタイトルにあるように、一際叙情性あふれる作品にスポットを当てました。戦争、貧困、環境、虐待など、今の世界が抱える問題に、子供の目から向けられる鋭い問いかけ、また失ってしまった大切な人を想い続ける幸せ、絵画の表現方法も、テーマも全く異なる作品でしたが、どちらも一つ一つの言葉や場面が、本当に印象的で、大人の心に深く響くものばかりでした。お客様のご感想の中には、最近大切な人を亡くし、作品にとても共感し、心癒されたというものもありました。樋口さんと佐藤さんが、ジャズを通して描く作品の世界は、そうした絵本の世界のイメージを更に豊かにふくらませてくれるものでした。特に、前半の佐藤さんの奏でる深遠な即興ピアノの世界はまさに内容にぴったりでしたし、後半は、樋口さんの豊かな声に支えられた朗読とボーカルはもちろん、よく練られた選曲と構成、また今回は佐藤さんのオリジナルナンバーも作品を効果的に盛り立てて、一際切なくロマンティックな、まるで新たな作品の世界と言ってもよい完成度でした。また公演後のティータイムでは、お二人にぴったりのテーマでもある、開催中の企画展「音を奏でる絵本」の作品をゆったりお楽しみいただきました。今回の公演の成功に向け、何度もリハーサルを重ねプログラムを練り直してくださった樋口さんと佐藤さん、ご助言とご支援をいただいたジャズボーカリストの浦千鶴子先生、そしていつも作品に真剣に耳を傾け、会場を温かい空気で満たしてくださったご来場の皆様、本当に有難うございました。

強い日差しが降り注ぐ中、今年ももうすぐ真夏が到来しようとしています。この夏の響き館では、「音を奏でる絵本」と題して、「音」や「音楽」「楽器」にちなんだ絵本を中心とした企画展を開催いたします。普段、絵本は「絵とことば」で私達に語りかけてきますが、今回選りすぐられた国内外の絵本は、時に雄弁に、また時にひっそりと静かに、本の中から美しい音が語りかけてくるような作品ばかりです。その美しい音の調べは、この暑い夏の季節、私たちの心に爽やかな風を吹かせてくれるに違いありません。

 

今回のおすすめ絵本「ピアノはっぴょうかい」(ブロンズ新社 館内にて販売中)は、注目の絵本作家、みやこしあきこさんの4作目となる作品。初めてのピアノ発表会で、緊張に震えていた女の子が、ある不思議な世界に迷い込み…。誰もが一度は経験するような身近な出来事を通して、読者を温かい気持ちで満たしてくれます。木炭と鉛筆で描くモノトーンを基調に、そこに美しい色が添えられる、みやこしさんの絵は、リアリティと想像力を兼ね備え、読者をぐいぐいと絵本の世界へ引き込むよう。まさに「絵だけで語れる」、そんな絵本の醍醐味を味わえる一冊です。

 

どうか、それぞれの作品を手に取っていただき、絵本の中から聴こえてくる、美しい「音」の調べに耳を傾けていただけたら幸いです。

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2024.05.17 Friday