お知らせ(11.1 更新! NEW!)
「ハープと唄で綴る物語」、盛況にて終了いたしました。
20日(日)、春のコンサート「ハープと唄で綴る物語」が開催されました。出演は、響き館初公演となる、高野陽子さん(唄&バウロン)と、アイリッシュハープデュオのHarper's Cafe(おのだかずこ&kumi)さん。伸びやかで美しい歌声と、優しく温かなハープの音色を堪能させてくださいました。オープニングは "She Moved Through the Fair"。その少し哀愁のある、繊細な唄い出しから、ケルトの音楽の世界へとすっと引き込まれていくようでした。今回のコンサートのコンセプトは、タイトルの通り、唄とハープで、ケルトの物語や神話の世界へ案内するというもの。「ジャックと豆まき」から、「ふたりの姉妹」、また「ダクダのハープの話」など、ハープが登場する物語を、唄あり、ハープあり、そしてお話と朗読もあり、という盛りだくさんの形で楽しめました。3名とも初めて挑戦されたという朗読も、かなりの練習を重ねられたとのことで、とても感情豊かで美しいものでしたし、大小2台のハープで奏でるハープの豊かな響き、またアイルランドの打楽器バウロンの心地よい低音のリズムもとてもよいアクセントになっていました。コンサートの最後は、スコットランド民謡の "The Water is Wide"(悲しみの水辺)。この曲、現在放送中のNHKの朝ドラでもとても印象深く流れていた歌で、高野さんの美しい声にまさにぴつたりでした。プログラムを通して感じたのは、ケルトの音楽も物語の世界も、日本人にとってとてもなじみやすく、どこか懐かしい香りがするということです。よく工夫されたステージは、そんなケルト文化の世界を、より身近に感じさせてくれたのではないでしょうか。今回の公演に向けて、プログラムの企画段階からとても丁寧に取り組んで、ケルトの世界を見事に表現してくださった高野陽子さんと Harper's Cafe のお二人、そしてこの音楽と物語の世界に熱心に耳を傾けてくださったご来場の皆様、本当に有難うございました。
6日(日)より、春の企画展「気持ちを伝える絵本」を開催します。
ようやく厳しい冬も終わり、京都は桜も満開の季節を迎えました。この、穏やかな春の季節、響き館では、「気持ちを伝える絵本」と題した企画展を開催いたします。今回選りすぐられた絵本は、物語の中の登場人物どうしの間はもちろん、絵本の作者から読み手に対するメッセージまで、心から伝えたい「想い」の溢れる、心に響く作品ばかりです。
企画展おすすめの一冊「ひとりひとりのやさしさ」は、アメリカの絵本作家、J・ウッドソンとM.B.ルイスの実力派コンビが贈る注目作。ある日学校に転校してきたマヤに、心を開くことができない、主人公の女の子クローイは…。少し重いテーマを扱った作品ですが、少女たちの繊細な心情を丁寧に描いた物語と、登場人物の気持ちを映し出すような、まさに正統派と言えるルイスの絵画は秀逸です。特に、深い余韻が胸に染みるエンディングには、絵本のもつ「物語の力」の大きさに心を震わされずにはおられません。
暖かな春の季節、どうか、それぞれの作品を手に取っていただき、絵本の世界に描かれた「心の対話」に耳を傾けながら、豊かなひとときを過ごしてみては如何でしょうか。