お知らせ(11.1 更新! NEW!)
心に残る企画展になりました!春の特別開館「オーリキュラと庭のはなし」前田まゆみ 絵本原画展、たくさんのご来場、有難うございました!
4月末から開催してまいりました、春の特別開館「オーリキュラと庭のはなし」前田まゆみ 絵本原画展、6月5日をもちまして無事に終了いたしました!スタートした頃は、まだやっと春の暖かさを感じられるようになったばかりでしたが、気がつくと、季節は新緑の季節を駆け足で通り過ぎ、もう雨の季節になっていました。会期の最終日には、再び作者の前田まゆみさんをお迎えして、ギャラリートークのアンコール開催(写真2枚目)。フランクで、優しく心のこもったお話に耳を傾け、オーリキュラの物語をしっかり心に刻みながら、とても充実した締めくくりとなりました。
わがままで美しい花、プリムラ・オーリキュラ。1本の花の生涯には、私たちが人生で経験する様々な出来事や感情が投影されていました。大切な存在との別れ、伝えられなかった想い、そして初めて「自分から愛する」ことを知った「あおむし」との出会い。空に消えていった蝶を見送った後、涙がこぼれて止まらなく場面は、心が揺さぶられる思いでした。「愛するものがあるから生きられる」・・・まさにそんな出会いを経て、オーリキュラは幸せな生をまっとうすることができたのだと思います。前田さんは、この絵本のテーマは「愛情」だとおっしゃっていました。長い歳月を経て再び巡ってきた春。最後の春の庭には、また「いのち」が巡ってきただけではなく、私には「愛情」が巡っているように思いました。「お花さん、こんにちは。いっしょにあそぼう」・・今度はこの女の子が、オーリキュラに愛情をいっぱい注いでくれることでしょう。
会期中は、たくさんご来場いただき、また「オーリキュラと庭のはなし」をはじめ、たくさんの絵本をお迎えくださり、心から嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。心に響く絵本、優しく美しい原画とギャラリートークで魅了してくださった前田まゆみさん、いつも端正でありながら情感豊かな語りで作品の心を伝えてくださる朗読家の馬場精子さん、3年ぶりの音楽イベントで響き館に再び生の声と音楽を取り戻してくださったケルト歌手の高野陽子さん、原画展の開催にあたりきめ細かくサポートしてくださったアリス館さん(山口さん、槇野さん)、春秋社さん、創元社さん、改めて本当に有難うございました!
最後に、とても不規則な開館にもかかわらず、(会期中の来館が叶わない方も含めて)いつも気にかけて、心待ちにしてくださるお客様。京都近郊だけでなく、関東をはじめ、遠路はるばる足を運んでくださるお客様。響き館を「自分を取り戻せる故郷のような場所」だと大切に感じてくださるお客様。そうしたお客様の存在、想いが何より嬉しく励みになっています。この小さなお店にできることは限られていますが、これからも作品や作者の想いに寄り添いながら、心のこもった絵本紹介を通して、絵本とお客様を繋ぐ「橋渡し」の役目を果たせるよう、精進していきたいと思います。今後の予定はまだ未定ですが、また次の企画、開館を楽しみにお待ちいただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。