お知らせ(11.1 更新! NEW!)

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去る4月7日(土)、絵本とピアノのコンサート~ことばと音で紡ぐ「春」の情景~が開催されました。出演は、ピアニスト(作曲家)で絵本朗読家の馬部恵子さん。響き館では3度目の公演ですが、今回は時間を1時間に拡大し、とても充実したプログラムとなりました。今回馬部さんがピアノと絵本を通して描こうとされたのは、冬から春へと変化していく季節の情景。冬景色や雪をテーマにしたピアノ曲から、暖かい春の情景まで、しっとりと奏でられるピアノ曲は、どれもとても美しく、一音一音が心の奥深くにそっと届くようでした。しかし何といっても今回一番の聴きどころは、朗読とオリジナルのピアノ曲を合わせた、絵本の「弾き語り」。まど・みちおさんの詩と南塚直子さんの銅版画が美しく溶けあう絵本「キリンさん」(小峰書店)からは、「くまさん」と「はるのさんぽ」が紹介されました。みずみずしい春の喜びを感じさせるピアノの旋律に、馬部さんの優しいトーンの声が重なり、美しい銅版画に見入る---そんな至福のひと時でした。また桜をテーマにした絵本の紹介では、中盤の躍動感のあるピアノのリズムに合わせた伸びやかな朗読が素晴らしく、またラストでは、ひらひらと舞う桜の花びらを表現するピアノの音型が、余韻たっぷりに、いつまでも聴き手の耳に残りました。ピアノを教える傍ら、15年以上に渡る小学校での読み聞かせの活動の中で、絵本のイメージに合わせたピアノ曲の作曲に取り組まれてきたという馬部さん。その作曲のセンスは本当に素晴らしくて、絵本の絵や物語にこめられたメッセージを、見事に音で表現されます。以前は朗読とピアノ演奏を分ける形だったのが、最近力を入れられているのが、ピアノを弾きながらの朗読、言わば絵本の「弾き語り」というスタイルです。一般的な歌の弾き語りと異なり、メロディーのない朗読では困難と思われますが、馬部さんの朗読はむしろ弾き語りによって、より伸びやかで、活き活きとしているように感じられました。それはやはり、自身で作曲された音楽の力が、語りの世界を更に豊かにしてくれているということなのでしょう。今回の公演は、絵本の「弾き語り」の魅力をたっぷり味わうのと同時に、これからの可能性に対する期待がますます膨らむものでした。プログラム作りから、とても真摯で丁寧な準備を重ねてくださった馬部恵子さん、そして初めての土曜日開催ということもあり、多数ご来場くださった皆様、本当に有難うございました。

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桜も満開の春の週末、4月7日(土)に、絵本の朗読とピアノ演奏をたっぷり味わえるコンサートを開催します。出演は、響き館では3度目の公演となる、ピアニスト(作曲家)で絵本朗読家の馬部恵子さん。絵本のイメージをもとに自ら作曲したオリジナル曲をベースに、美しい朗読とピアノの音色の「弾き語り」で、絵本の世界へいざないます。今回は、「キリンさん」(まど・みちお/詩 南塚直子/絵 小峰書店)など、特に春の情景にピッタリな素敵なプログラムで、冬から春への季節の移ろいを鮮やかに表現します。約1時間の公演後は、美味しいロンネフェルト紅茶をいただきながら、春の企画展「「いま」を感じる絵本」をゆったりお楽しみいただけるティータイムです。皆様のご参加を楽しみにお待ちいたしております。

 

※只今、先着順にてご予約受付中です。ご予約方法など、詳細は「イベント」ページをご覧ください。

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暖かな日差しに春の兆しを感じるこの頃、桜の開花や、木々の芽吹きの季節ももうすぐそこです。新しいスタートを感じる季節にふさわしく、響き館では3月10日(土)より、「「いま」を感じる絵本」と題した春の企画展を開催します。「いま」ここに生きる喜び、幸せ、感謝、そして「生命」や「春」の恵みを感じられる絵本を特集します。またサブテーマとなる「対話する絵とことば」では、詩の絵本を中心に、絵本ならではの、言葉と絵の溶け合うような美しいコラボレーションにスポットを当てます。 

 

企画展おすすめの一冊「生きる」(谷川俊太郎/詩 岡本よしろう/絵 福音館書店)は、長く読み継がれる谷川俊太郎さんの名詩「生きる」が初めて絵本化されたことで話題となった一冊。詩に絵をのせていく作業はとても難しいものですが、岡本よしろうさんの絵は、時に文から大胆に離れながら、幼い姉弟のある夏の一日を中心に、敢えて私達が誰でも経験するような日常のドラマを描くことで、むしろこの詩の「本質」を見事に伝えてくれます。

 

春の陽気に心ときめく季節--絵本の中の素晴らしい絵とことばのコラボレーションに、それぞれの「いま」を感じていただければと思います。

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去る2月24日(土)、冬の企画展のフィナーレを飾るイベントとして、「朗読と音楽で綴る~文学と絵本散歩~ vol.5」が開催されました。出演は、今回が6度目、「文学と絵本散歩」シリーズとしては5回目となる、朗読家の馬場精子さん。昨年5月の春の公演とは対照的に、今回はまさに寒い冬に味わうのにピッタリな文学作品と絵本のプログラムで、再び私たちを魅了しました。前半、マイクを通さない肉声のみで語る「手袋を買いに」(新美南吉)では、キラキラ目に眩しいような、真っ白な雪の情景を目の前に浮かべ上がらせ、その中の親子のキツネのやりとり(子守歌のところでは、美しい声で歌ってくださいました)が、じんわりと心に温かい灯をともしてくれました。作者は29歳の若さで早逝されましたが、その短い人生の中で、私たちの心の琴線に触れる童話をたくさん残してくれたことに、改めて感謝したくなりました。そして後半は、海外の短編小説を元にした、壮大な物語の絵本。ここでは、クラシックのチェロの名曲と、繊細で陰影に富んだ美しい絵画とのコラボレーションで、馬場さんの情感豊かで、心を揺さぶるような語りの力が、ぐいぐいと私たちを物語の世界に引き込みました。馬場さんの感情表現は実に豊かで自然で、私たちの心の奥深くに響きます。馬場さんはよく「悲しい気持ちを表したい時に、ただ悲しそうな声を出そうとしてはいけない」というような趣旨のことをおっしゃるのですが、それは言い換えれば、物語を深く理解し、その世界に入って登場人物になりきることで、それぞれの場面や登場人物に相応しい声が自然と湧き出てくるのでは---と、そんなことを感じました。だからこそ、ご参加者の感想にありましたように、馬場さんの朗読では、小さな子供の声から、女性の語り手でありながら、時には男性の登場人物の声まで、まったく違和感なく聴き入ることができるのかもしれません。今回の公演でも「語りと、音楽と絵が実によく合っていて、いい映画を見終わったような充実感がある」といった嬉しいお声をたくさんいただきました。「文学と絵本散歩」はちょうど5回目の節目となりましたが、「芸術としての朗読」を追求し続けておられる馬場さんとともに、大人にこそ味わってほしい「芸術作品」として、これからも文学や絵本の世界をお届けできたらと思っております。長期間に及ぶ準備から当日まで、全力で公演に取り組んでくださった馬場精子さん、そしてまだまだ厳しい寒さの中、ご来場いただいた皆様、本当に有難うございました。

※写真は「手袋を買いに」(新美南吉)を朗読する、馬場精子さん。

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 2018年、いよいよ新しい年が幕を開けました。響き館では今年も大人がじっくりと味わえる絵本朗読会に取り組んでまいります。そしてその第一弾として、来る2月24日(土)、響き館では通算6度目の公演となる、朗読家の馬場精子さんをお迎えして、「朗読と音楽で綴る~文学と絵本散歩~」を開催することになりました。

 本朗読会では、「文学と絵本散歩」というタイトルにもありますように、馬場さんが得意とされている文学作品(童話/児童文学)や、大人が味わうのにぴったりな絵本を、美しい絵と音楽の演出とともに朗読いたします。回を重ねる毎にますます洗練され、円熟味を加えてきた、好評のシリーズ---今回は「手袋を買いに」(新美南吉/作)他、寒い冬に味わうのにピッタリな作品を予定しております。言葉と絵と音楽のコラボレーションで味わう「芸術としての朗読」---温かく、豊かで贅沢なひとときを、どうぞご堪能ください。

  尚、公演後恒例のティータイムでは、美味しいロンネフェルト紅茶を味わいながら、開催中の冬の企画展「絵本が映す「ふたりの情景」~同時開催:心温まる「冬と雪」の絵本展」をゆっくりお楽しみいただけます。皆様のご参加を楽しみにお待ちいたしております。

 

※只今、先着順にて、ご予約受付中です。ご予約方法、公演詳細は「イベント」ページをご覧ください。

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2024.11.21 Thursday