お知らせ(11.1 更新! NEW!)

11月20日発行の月刊フリーペーパー「京都:コロン」の特集「クリスマスの美味しい一皿」の中で、「絵本な一皿」として、お勧めのクリスマス絵本を3冊後紹介させていただきました。併せて、響き館のことも紹介してくださっています。クリスマスの贈り物に「絵本」を---とお考えの方も多いことと思います。寒い季節だからこそ、絵本のページをゆったりめくりながら、心温まるひととときをお過ごしいただけたらと思います。12月4日~は、クリスマス絵本の特集コーナーも登場予定です。皆様のお越しをお待ちしております。

 古都・京都は間もなく美しい紅葉がピークを迎え、また厳しい冬の季節へと向かっていきます。この秋冬の季節、響き館では、20日(木)より、企画展「気づきの絵本、見つける絵本」を開催いたします。物語の主人公が何かに気づいたり発見したりする作品はもちろん、読者である「大人」が「絵本を通して、何かに気づき、発見してほしい・・・」、そんな願いを込めて、作品を選んでみました。

 

 そんな企画展おすすめの一冊は、「クジラにあいたいときは」(講談社)。「クジラに あいたい ときは まどが いる/ それと うみも」・・・印象的な書き出しで始まるこの美しい絵本は、全米各誌で話題となり、世界11ヶ国語に翻訳されたベストセラー。ジュりー・フォリアーノが綴る言葉は、少し哲学的な主題を含みつつも、まるで詩のように美しく優しい響き。またコルデコット賞作家のエリン・E・ステッドの描く絵は、精緻な鉛筆画とリノリウム印刷技術を用い、繊細で洗練された美しさに溢れています。静かで豊かな時間がゆったりと流れる中、主人公と一緒に、読み手もまた「気づき、発見する」ことのできる、そんな素敵な絵本です。

 

 じっくりと絵本を味わうのにピッタリな秋冬の季節、絵本の世界を通して、「気づきと発見」の旅に出てみては如何でしょうか。

 

※秋冬の企画展では、並行して、とっておきのクリスマス絵本、冬と雪の絵本も展示いたします。クリスマスの贈り物に絵本をお考えの方も、どうぞお越しください。


 響き館における、初めての絵本原画展「わたしは樹だ」が無事終了いたしました。信州の「安曇野絵本館」や「えほんミュージアム清里」で、絵本原画の素晴らしさ、そして大人の心に響く絵本の魅力に初めて気づかされたのが約10年前・・・。以来、多くの素晴らしい原画と接してきましたが、まさか自分がこうして絵本原画を展示し、皆様に見ていただける立場になるとは夢にも思っておりませんでしたので、原画展を無事に終えた今、本当に感慨深いものがあります。約2か月前、とても緊張しながら、届いた原画の箱の梱包を解いた時のワクワク感、そして壁面いっぱいにnakabanさんの素晴らしい原画を飾り終えた時の喜びは、大切な記憶として、この先もずっと忘れられないことと思います。

 原画と共に過ごしたこの2か月間。印刷では分からない、色彩やタッチなどから、一枚一枚の絵に込められた画家の心を感じ取る・・・そんな「原画を見る楽しみ、醍醐味」を改めて実感しました。また朗読と映像・音楽を用いて、新しい形で絵本の魅力をお伝えしたり、10月5日には、原画に囲まれた空間で、馬場精子さんによる「わたしは樹だ」の素晴らしい全文朗読を味わったりと、本当に充実した毎日でした。

 すっかり響き館の空間に溶け込んでくれた原画の数々とお別れした今、とても寂しい気持ちと同時に、これをきっかけに、また響き館の新しい魅力を作り出していけたら・・・という気持ちで一杯です。今回の原画展の開催に当たり、素晴らしい原画を快くお貸しくださったnakabanさん、「屋久杉」の物語を通して「ホリスティック」という大切な概念に触れるきっかけを与えてくださった、作者の松田素子さん、原画展全般の運営やブックフェアの開催にご尽力くださった、アノニマスタジオの下屋敷さん、そして会期中、響き館を訪れて、じっくりと作品をご鑑賞下さったご来場の皆様に、改めてお礼を申し上げたいと思います。本当に有難うございました。

 

 5日(日)、秋の朗読会として、「朗読と音楽で綴る~文学と絵本散歩~」が開催されました。出演は、朗読家の馬場精子さん。2011年2月にヴァイオリニストの高橋真珠さんと素晴らしいコラボレーションを楽しませてくださって以来の登場となりました。「文学と絵本散歩」というタイトル通り、馬場さんが得意とする日本の文学作品と絵本を堪能していただきました。新実南吉の心温まる小品から始まって、心に響く短編童話、そしてメインは、原画展を開催中の「わたしは樹だ」(松田素子/文 nakaban/絵)。

 確かな朗読技術と、豊かな声、そして心のこもった語り口。馬場さんの朗読は本当に見事で、私達聴き手の心をぐっと引きつけるものでした。特にバッハの無伴奏チェロ組曲と、nakabanさんの生命溢れる力強い絵とのコラボレーションとなった「わたしは樹だ」の朗読は圧巻でした。樹齢何千年という「屋久杉」が語る物語を、馬場さんは見事に消化して、豊かで力強い朗読で表現されました。屋久島の固い岩ばかりの過酷な環境の中で生きる力強さ、小さな菌やコケたち、他の樹々と支え合いながら生きる生命のつながりと優しさ、そしてラストは、まるで「樹」の心そのものが、馬場さんの朗読を通して直接語りかけてくるように思えるほど、迫真の表現でした。ホリスティック(全体、つながり、バランスなどの意味)をテーマにしたこの絵本は、「樹」の物語であると同時に、何度も読み返しているうちに、私達自身も自分の存在について考え、その不思議さ、に気づかされます。「そうして いつか…、わたしにも たおれる ひが くるだろう。生きて 生きて、そして そのときが きたら、わたしは ゆっくりと たおれよう。」のフレーズに、自分自身の姿を重ねられた聴き手もおられました。

 プロの「朗読家」として、常々、朗読を「声の芸術」としてもっと認知してほしいという強い想いを持っておられる馬場さん。素晴らしい原画に囲まれながら、その作品を生の朗読で聴けるという幸せと、そんな語り手の気概に心揺さぶられる想いの朗読会でした。「ことば」と「語り」の力の素晴らしさを改めて感じさせててくださった馬場さん、台風接近中の不安定な天候の中、遠く会場まで足を運んでくださったご来場の皆様、進行のお手伝いをしてくださった中村さん、本当に有難うございました。

10月5日(日)、秋の心地よい休日、大人がじっくりと味わえる絵本朗読会を開催します。出演は、約3年半ぶり2度目となる、朗読家の馬場精子さん。以前、ヴァイオリニストの高橋真珠さんと素晴らしいコラボレーションを楽しませてくださって以来の、満を持しての再登場となります。

 今回のメインプログラムは、開催中の絵本「わたしは樹だ」(松田素子/文 nakaban/絵)の原画展にあわせて、その全文を美しい映像と音楽とともに朗読します。樹齢何千年とも言われる、屋久島の「屋久杉」を語り手にした生命の物語。nakabanによる鮮やかで伸びやかなタッチで描かれた原画に囲まれた中での朗読会は、きっと特別な時間になることと思います。また本公演では、タイトルにもありますように、馬場さんが得意とされている日本の近現代の文学作品や、童話、児童文学などを、シンプルな生の声を生かして味わうことも予定しております。公演後恒例のティータイムでは、館内の絵本をゆっくりお楽しみいただけます。絵本の朗読で、ゆったり心温まるひとときをお過ごしいただきますよう、皆様のご参加を楽しみにお待ちいたしております。

 

※ご予約の受け付け開始は、9月21日(日)正午~となります。公演の詳細や、出演者プロフィール、ご予約方法は、「イベント」ページをご覧ください。

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2024.11.23 Saturday