お知らせ(11.1 更新! NEW!)

9月5日(土)、開館以来10度目となる、絵本の朗読とジャズのコンサートを開催します。今回取り上げる作品は、アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞した「つみきのいえ」。緻密で味わい深い映像と、心を動かされる物語で、多くの人々の心をつかんだ同作を、作者の加藤久仁生さんと平田研也さんのお二人が自ら絵本化したものです。いつも深く美しい声で私達を魅了してくださる樋口みづほさんと、実力派のベテランジャズピアニスト、佐藤由行さんのお2人が、この素敵な絵本を、スクリーン映像とともに、朗読とピアノで魅力的に表現してくださいます。

 

公演後恒例のティータイムでは、館内の絵本をゆったりお楽しみいただける他、「つみきのいえ」はもちろん、国内外の魅力的な絵本の販売もおこないます。皆様のご参加を楽しみにお待ちいたしております。

 

※只今、先着順にて、ご予約を受付中です。イベント詳細、ご予約方法は、当HPの「イベント」ページをご覧ください。

 

 

8月19日(水)~9月7日(月)、京都駅・伊勢丹にある、美術館「えき」KYOTOにて、注目の絵本原画展が開催されます。シリーズ4回目となる本展は、「ART×絵本」と題し、オールズバーグやショーン・タンをはじめ、是非一度は見てみたかったと思うような、豪華なラインナップが予定されています。

 

JR京都駅から響き館の最寄り駅「国際会館」までは、地下鉄でわずか20分です。この夏、京都でゆったりと絵本めぐりはいかがでしょうか。当館では、本原画展の割引き券もご用意しております。

 

美術館「えき」KYOTO 原画展ページ:

http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/floorevent/index_7f.html

 

<展覧会概要:上記HPより転載>

子どもだけでなく大人からも愛される絵本たち。その原画は、本を離れても一つの作品として強い力を放ち、想像力や好奇心をかき立てます。
国内外のロングセラー作家と近年注目の新進作家の作品を紹介してきた世界の絵本作家展シリーズ。4回目となる本展では、海外から、ハリウッド映画「ジュマンジ」の原作者で緻密な画風で知られるクリス・ヴァン・オールズバーグ、「マドレーヌ」シリーズのルドウィッヒ・ベーメルマンスなど絵本のノーベル賞と称えられる「コールデコット賞」受賞者4人の作品と話題作「ロスト・シング」がアカデミー短編アニメ賞を受賞し注目を集めるオーストラリアの作家ショーン・タンの作品を、国内からは酒井駒子、長新太らの人気作家の原画を紹介します。
また特別展示として貴重なモーリス・センダック、黒井健の作品を加えた14作家・約200点を一堂に紹介します。
身近に手にとれる絵本、その先に広がる深淵なるアートの世界をお楽しみください。

 

<出展作家>
デイヴィット・ウィーズナー、クリス・ヴァン・オールズバーグ、ルドウィッヒ・ベーメルマンス、アーノルド・ローベル、ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ、ショーン・タン、酒井駒子、長新太、ささめやゆき、高畠純、高畠那生、やぎたみこ

【特別展示】モーリス・センダック、黒井健

 

京都は今まさに雨の季節ですが、陽光降り注ぐ、夏はもうすぐそこです。響き館では、7月4日(土)より、「生命と海と星空と~絵本にきらめく夏の情景~」と題し、一年で最も自然の風景が眩しく輝く、夏にぴったりの絵本企画展を開催いたします。生命力あふれる緑や生きものたち、眩しい太陽に空、広大な海、そして涼しくなった夜更けに見上げる星空・・・そんなキラキラとした夏の情景を、古今東西の優れた絵本を通してお楽しみください。

 企画展おすすめの一冊「おやすみなさい」(アラジディ&ペリシェ/文 チュクリエール/絵 アノニマ・スタジオ刊)は、そんな夏の静かな夜更けに、ゆったりと眺めたくなる一冊。小品ながら、フランスの絵本らしく、上質で美しいアートと工夫に溢れています。ページをめくるごとに深まる夜空、眠りにつく準備をする動物の親子や植物たち。カヒミ カリィさんが翻訳を手がけた、心地よくて優しいリズムの文章とともに、自然の気配や音に耳をすませると、自然と幸せな気持ちに満ちたりて、静かに眠りたくなる・・・そんな絵本です。

 暑い暑い夏の季節、響き館で、美味しい飲み物とスイーツとともに、絵本のページをめくりながら、「風鈴の音色」を奏でるように、心に涼やかな風を吹かせてみませんか。


<会期中特典>
おすすめ絵本「おやすみなさい」を、朗読と映像・音楽とともに、ご紹介します。まさに朗読で味わうのにピッタリなこの作品、心地よい言葉のリズムと響きを、ゆったりお楽しみください。(上映時間は随時です。出来る限り、皆様にご覧いただいておりますが、店内の状況、タイミングによっては、上映できないこともありますので、ご了解ください。)

※「おやすみなさい」の翻訳を手がけた、ミュージシャンで文筆家のカヒミ カリィさんの、お洒落なサインの入った限定本を販売します。数に限りがありますので、お早めにどうぞ。

※カフェメニューには、昨年好評だった「むしやしない」のマルキーズの他、新たに「しるこわらび餅」が登場します。水出しアイス珈琲や、ロンネフェルトで一番人気のアイスティー「フィール・リラックス」とあわせて、夏らしいメニューをお楽しみください。

今年の京都も既に梅雨に入り、蒸し暑い日が続いております。春の企画展として開催してまいりました、絵本「ことり」南塚直子・原画展は、会期を少し延長しまして、今月末(~29日(月))までご覧いただけることとなりました!

まど・みちおさんの世界観のたっぷり詰まった詩と、南塚直子さんの描く、心に優しく触れる銅版画の世界。お忙しくて見逃してしまった方はもちろん、もう一度見ておきたいという方も、是非、ご来場をお待ちしております。尚、会期中に一度お越しになられたお客様は、クーポン(レシート)をお持ちいただければ、来店日に関わらず、ご同伴の方も含めて、1ヶ月以内の割引きを適用させていただきます。

南塚直子さんのサインとイラスト入りの「ことり」限定本は、残りが大変少なくなっておりますので、ご希望の方は、お急ぎください。

また7月からは、いよいよ夏の企画展が始まります。こちらは改めてお知らせをいたしますので、どうぞご期待ください。

5月16日(土)、原画展を開催中の絵本「ことり」(まど・みちお/詩)の作者である、絵本作家・銅版画家の南塚直子さんをお迎えして、お話会(ギャラリートーク)がおこなわれました。最初に「ことり」の作品紹介として、7分間ほどの朗読映像を楽しんでいただいた後、この絵本の背景や、詩人のまど・みちおさんのことから、静かにお話を始められました。まどさんは、昨年2月に、惜しまれつつも104歳で亡くなられましたが、詩集の絵本を作るにあたって、初めてまどさんとお会いになられた時のお話をはじめ、様々なエピソードから、その謙虚で優しい、そしてユーモアに溢れるお人柄が偲ばれました。中でも印象に残ったのは、まどさんの世界観のお話でした。まどさんによると、「あらゆる生き物は、その生き物に生まれてきたことを喜んでいる」のだそうです。そしてそのお考えから、キリスト教(=人間は神の子だけれども、他の生き物はそうではない)をやめられたとのことでした。南塚さんは、そのまどさんの世界観を「いきもののくに」や「くまさん」の詩を紹介されながら、とても分かりやすく説明してくださいました。「みんなそれぞれ違っていていい」・・・私達がよく耳にする言葉ですが、競争が激しくゆとりのない現実の社会では、どこか陳腐で上滑りして響くのに対して、まどさんの易しい(優しい)語り口の言葉で綴られると、すっと心の奥深くに届くように思いました。もともと、まどさんと南塚さんによる詩の絵本シリーズは、3部作で終わる予定だったらしいのですが、4作目の「ことり」には、どちらかと言うと大人の読者に向けて届けたいと、南塚さんが心の中でずっと温めていた詩が収められたそうです。中でも「りんご」の詩の深い世界を絵にするに当たっては、大変な苦労をされたとのことでした。

 

お話の後半は、銅版画との出会い~ハンガリー留学~今学ばれている陶板のこと、とこれまでの豊かなキャリアを振り返りながら、これからの夢などを生き生きと語られました。もともと油絵を描いておられたという南塚さん。本格的に絵を志されたのは比較的遅かったらしいのですが、銅版画というものに出会い、それが絵本の世界と結びついて、数々の名作を生みだしてこられました。南塚さんの銅版画は、一版多色刷という手法で、一枚の版から刷れる枚数が大変限られているとのこと。日本でも大変珍しいやり方だそうですが、納得のいく絵本の原画が一枚完成すればよいという南塚さんにとっては、まさにぴったりの方法で、どちらかと言うとモノクロに近い色彩が多い銅版画の世界の中で、鮮やかな色彩を特色とするやり方は、絵本との相性が非常によかったようです。

 

現在は京都嵯峨芸術大学に社会人留学をして、陶板の制作をされている南塚さん。きっかけは、原因不明の体の激しい痛みに何年も悩まされ続けていたのが、ある検査で病気が見つかり、それを手術で克服したことからでした。改めて「生かされている」喜びと感謝の気持ちでいっぱいになった時、ハンガリー留学当時、とても興味を持った焼き物(陶芸)の世界にもう一度飛び込んでみたくなったそうです。これまで、平面の中で自分の世界を表現してこられた南塚さんにとって、凹凸のある陶板に、銅版画の技法を用いて絵を描く作業は、本当に新鮮で魅力的に思えるようで、実際の美しい作品をいくつか見せてくださいました(=写真)。2月の個展(@京都)に続き、今度は東京でも個展が予定されているそうです。

 

あっという間の一時間でしたが、ご病気などの苦労を乗り越えて、現在も新しい世界に挑まれている南塚さんのお話は、本当に生き生きとしていて、聴き手の私達にとってもとても励ましになる内容でした。お話の後のティータイム/サイン会では、南塚さんの絵本にサインや可愛いイラストを入れていただきながら、それぞれにお話を楽しんでおられました。「うさぎのくれたバレエシューズ」をはじめ、ロングセラーや人気作品も多い南塚さんだけあって、作品にまつわる思い出話にも花が咲いたようです。ギャラリートークという形のイベントは初めてでしたが、絵本を通じて、その作り手と読み手の心がひとつになる・・・そんなかけがえのない時間だったと思います。人前で話されるのはまだ2度目という機会にもかかわらず、気さくで温かいお人柄で、とても内容の濃いお話を聞かせてくださった南塚さん、またお忙しい中ご来場くださり、熱心にお話に耳を傾けてくださった皆様、本当に有難うございました。

Today's Schedule
2024.11.23 Saturday