お知らせ(11.28 更新! NEW!)
秋の特別開館「おもいででいっぱいになったら」はしもとみお絵本原画展、終了しました。たくさんのご来場、有難うございました!
2025年の秋の特別開館「おもいででいっぱいになったら」はしもとみお絵本原画展が、無事に終了いたしました。
温かな色彩とタッチで描かれた、美しい原画の数々。
まるでその子に「会っている」という気持ちにさせてくれる、一刀一刀に愛情をこめて彫られた彫刻たち。
そんな、はしもとみおさんの素晴らしい作品に囲まれて味わう、朗読と音楽による映像上映。共感しながら時間をかけて作品を読み込み、何度も何度も声に出された、ナレーターの森日菜子さん。その端正で、心のこもった語りが、絵本の中の宝物のような言葉に命を吹き込み、胸の奥にじんわりと沁みてきました。
15歳の時に阪神淡路大震災を経験した、はしもとみおさん。「おもいでていっぱいになったら」は、人生を変えた震災からの、いろんな気持ちを重ね合わせて紡がれた作品です。
このせかいのいきものは、
なみだがそだてているんだ。(「なみだ」より)
たのしいことも、かなしいことも、
かみさまにとっては、おなじだけたいせつなんだ。(「おもいで」より)
さびしいよ、かみさま。
であうということはきっと、
たのしさもさびしさも、おなじだけおこるってことを、
かくごしておかなきゃいけないんだね。
それでもかみさまにであえて、よかったとおもうよ。(「まつ」より)
昨年5月に愛犬シュシュを亡くした私にとって、これらの言葉がどれだけ心に寄り添ってくれたか分かりません。思えば、シュシュを失ってから初めて訪れた美術展が、昨夏、神戸でおこなわれた、はしもとみおさんの彫刻展でした。震災を機に、限りある命を何か形に残したいと考え、美術の道を志すようになったという、はしもとみおさん。今にも動き出しそうな動物たちをそっと撫でていると、その質感と温もりに不思議と心が落ち着きました。
響きあう、上質で美しい、絵と言葉と音楽と。それは開館以来ずっと大切にしてきたコンセプト。15周年という記念の年に相応しい秋の特別開館は、この先もずっと記憶に残る、濃密で幸せな時間になりました。
至福の作品を届けてくださった、はしもとみおさん、極上の温かい声を届けてくださった、ナレーターの森日菜子さん、企画段階からきめ細かくサポートしてくださり、可愛い「タラちゃん」をはじめ貴重な個人所蔵の彫刻作品をお貸しくださったKISSA BOOKS の瀧本さん、そして何より、ご遠方からも含めて、お忙しい中ご来館くださり、熱心に作品をご鑑賞くださったお客様。改めて、本当に有難うございました。
今回の宝物のような経験をまた次につなげてゆけたら、と思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。







