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 朝夕にひんやり心地よい風を感じる季節になりました。これから次第に深まっていく秋、そして冬の季節に向けて、響き館では10月7日(土)より、「ふたり」をテーマにした企画展を開催します。恋人、夫婦、親と子、友達など・・・絵本の中に描かれる、様々な「ふたり」の情景。喜び、悲しみ、愛しさと切なさと、そこに描かれる感情もまた実に様々ですが、その根底には、絵本ならではの「温かさ」と「希望」が確かに流れているように思います。 

 企画展おすすめの一冊「紙のむすめ」(ベルハッセン/文 シャピラ/絵 光村教育図書)は、日本で紹介されることが大変珍しいイスラエルの作品。白い紙の丘に住む、紙から生まれたむすめの元に、ある日おおきな白い紙が飛んできて---。この絵本の最大の魅力は、すべての絵が精緻で美しい「切り絵」で描かれているだけでなく、物語そのものが切り絵にリンクしているところです。ベルハッセンが書き下ろした優しく温かい物語と、実に40年以上のキャリアをもつシャピラの切り絵の世界が見事に溶け合う、この美しい一冊は、その造本・装丁の美しさも相まって、2015年ドイツ・ライプチヒで開かれた「世界で最も美しい本」コンクールに日本から選ばれて出品されました。 

 次第に心も体も「温もり」を求めたくなる季節--絵本の中の「ふたり」の情景に、あなたならではの発見をしてみてはいかがですか。 

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2024.12.04 Wednesday