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5日(土)、秋の長雨の合間の貴重な晴れの週末に、絵本「つみきのいえ」朗読会を開催することができました。開館した年から5年間、響き館とともに歩んできたとも言える「絵本とJazzの調べ」。その第10回目という節目となった今回、絵本「つみきのいえ」の朗読にチャレンジしました。「つみきのいえ」は、2009年度のアカデミー賞を受賞した短編アニメーションを、作者の加藤久仁生さんと平田研也さんのお二人が自ら絵本の形にしたものです。オリジナルのアニメーションは、台詞がなく、映像と音楽だけで物語が進行しましたが、絵本版では、そこに言葉が入り、設定、構成にも少し変更が加えられています。出演の樋口みづほさん(朗読、Vo)と佐藤由行さん(p)のお二人は、今回も息もピッタリ、この味わい深い作品をじっくり読み込んで、その魅力を鮮やかに表現してくださいました。大工道具を海に落としてしまったところから偶然に始まる、おじいさんの想い出を辿る旅。その一つ一つを、時には瑞々しい明るさで、また時には深く切なく、朗読とピアノで表現していきます。そして、おじいさんとおばあさんが人生をともに歩むスタートとなった最初の小さな家のシーンの、パッと日の光がさすような場面から、ラストシーンにかけては圧巻で、美しい映像と、語りと音楽が一体となって、本当に作品の中に引き込まれていくようでした。今回、この公演で「つみきのいえ」を取り上げる中で、人生の大切な1コマ1コマの経験と想い出が、家という形で「積み木」のよう重なっていくという、物語の着想の素晴らしさと、豊かで緻密な映像美を、改めて再確認しました。アカデミー賞の授賞式での、加藤さんの"Thank you for my pencil."というスピーチは、本当に印象的でしたが、それほどまでに一枚一枚の絵に、膨大な時間と労力をかけて、心をこめて丹念に描かれたのだと思います。

今回の公演で、この素晴らしい絵本を上演できたことを心から嬉しく思うと同時に、時間をかけて準備をしてくださった樋口さんと佐藤さん、ご協力をいただいた(株)ROBOTさん、白泉社さん、そして当日、熱心にご鑑賞くださったお客様に、心より感謝いたします。本当に有難うございました。「絵本とJazzの調べ」の今後にも、どうぞご期待ください。

 

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2024.11.13 Wednesday