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12月9日(土)、北欧の絵本と音楽を楽しむイベント、北の国から「絵本とピアノの贈り物」が開催されました。出演は、ノルウェー国立音楽大学、シベリウス音楽院(フィンランド)で研鑽を積まれたピアニストの安保美希さん。この日のために、東京から来演してくださいました。公演では、北欧を中心に、解説や朗読を交えながらの絵本紹介とともに、同じく北欧を代表する作曲家、グリーグやシベリウスのピアノ曲をたっぷり味わいました。ユーモアを交えつつ、時にはシリアスに、7才の女の子の視点から家族の問題、喜びを綴った「うちってやっぱりなんかへん?」(ノルウェー)はまるで上質なショートムービーのようでしたし(実際、絵本の元になった「モールトンと私」はアカデミー賞ノミネートの短編アニメーション)、国際障害者年に出版された「地平線のかなたまで」(フィンランド)の見事なまでに美しい陶板絵の数々、また左手のみで演奏するピアニスト・館野泉さんに献呈された「ふしぎなボタン」(フィンランド)の魅力的な物語とメッセージなど、いずれも心に響く作品ばかりでした。そして絵本に合わせて安保さんが選んでくださったピアノ曲は、とても変化に富んでいて、その演奏も、繊細な抒情性から、ダイナミックな力強さまで、とても奥行きのある見事なものでした。選曲の理由も含めて、楽曲解説もとても丁寧にしてくださり、興味を引く内容ばかりでした。そしてコンサートの終盤は、安保さんが現地で撮りためたスナップ写真を見ながら、ノルウェーのクリスマスの過ごし方や、北欧の自然や文化、音楽の話とともに、ここでも魅力的なピアノ曲を披露してくださいました。今回の公演を通して改めて感じたのは、絵本にも音楽にも共通する、どこか凛と静かで澄み切ったような美しさ。そこには、安保さんが語られた、長く厳しい冬を上手く乗り切っていく、北欧の人々の素朴で堅実な気質があるのかもしれません。留学中から、日本の震災復興支援や、アフリカの教育支援など、音楽を通した社会貢献にも熱心に取り組まれている安保さん。留学で得たものも「ピアノや音楽はもちろん、でもそれ以外のものの方が大きかったように思います」とおっしゃった通り、公演を通してその誠実なお人柄にも魅了されました。当日は寒波の影響で、とても厳しい寒さでしたが、北の寒い国から届いた絵本とピアノ曲は、心に「温かいもの」を残してくれました。公演当日はもちろん早くから公演のためにご準備してくださった安保さん、そして寒い中お越しくださり、熱心に耳を傾けてくださったご来場の皆様、本当に有難うございました。(尚、公演で紹介した絵本作品は、引き続き館内で展示、販売をしております。どうぞ手に取ってご覧ください。)

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2024.11.21 Thursday