お知らせ(4.5 更新! NEW!)

昨日27日(日)、「ことばと音色で奏でる絵本朗読会」が開催されました。ここ数日の中では、比較的寒さもやわらぎ、街路樹の紅葉が一層輝きを増していました。今回朗読をしてくださったのは、フリーアナウンサーとして30年のキャリアをお持ちの日向(ひなた)のり子さん。後進のご指導の他、長年、ライフワークとして大人のために絵本を朗読されてきました。よく通る美しく澄んだ声と、端正で美しいことばのリズムと響き、そして今回「ことばと音色で奏でる」と題して準備した音楽との呼吸もまさにピッタリで、人間の温かい声と音楽の豊かな音色が溶け合って、夢のような時間を過ごさせていただきました。いろいろな方の朗読を聴いていると、本当に十人十色というか、一つとして同じものはないことに気づかされます。日向さんの朗読は、過度な演出をさけ、聞き手がすーっと物語の世界の中に引きこまれてれていくような、実に心地よいもので、尚且つ、作品の魅力や込められたメッセージがしっかりと心に残るものでした。こうした朗読は、決して一朝一夕にできるものではなく、やはり長年の経験、そして何よりも作品と聞き手に対して誠実に向き合ってこられた結果なのだと強く感じました。細かな打ち合わせ・リハーサルに何度も足を運んでくださった日向さん、スタッフの奥村さん、そして物語にじっくりと耳を傾け、この温かいひとときを共有してくださったご来場の皆様、本当に有り難うございました。

絵本の専門雑誌「MOE」(白泉社)12月号の、「絵本を感じる旬な空間」で紹介していただきました。ご存知のように、この雑誌は数少ない絵本の専門誌で、新刊や展覧会等のタイムリーな情報はもちろん、毎号の特集は、時には海外取材ロケをおこなうなど、とても充実した内容で、まるで美術館で企画される本格的な展覧会をじっくり眺めたような気持ちにさせてくれます。ちなみに掲載号には、人気の「スージー・ズー」の他、昨年11月に惜しまれつつ亡くなられた、「100万回生きたねこ」の作者・佐野洋子さんの特集が組まれています。取材当日は台風の接近でとても厳しい条件にもかかわらず、とても丁寧な文章にまとめてくださったライターの永坂さん、そして雰囲気たっぷりの写真を撮ってくださったカメラマンの岡森さん、本当に有り難うございました。

古都の美しい紅葉深まる秋の休日、大人がじっくり味わえる絵本朗読会を開催することになりました。出演は、長年フリーアナウンサーとしてご活躍されながら、ライフワークとして大人のための朗読に取り組まれてきた、日向のり子さん。端正で美しいことばの響き、そして美しい音楽の音色とのコラボレーションにじっくり耳を傾けながら、少し贅沢なひとときをお過ごしください。また公演終了後の恒例のティータイムでは、館内の絵本をゆったりお楽しみいただけます。皆様のご参加を楽しみにお待ちいたしております。

※内容詳細・ご予約方法は、「イベント」ページをご覧ください。尚、ご予約の受付開始は、12日(土)正午~です。

11月、木々が鮮やかに色づき、古都が一年でも一際美しい季節を迎えました。今回の響き館では、「アンデルセンとヨーロッパの詩情」と題して、アンデルセンの作品を中心に、ヨーロッパの絵本を特集します。一口にヨーロッパと言っても、国や作家ごとの個性は実に多彩で変化に富んでいます。しかし、いずれの作品も、ヨーロッパ独特の長い芸術の伝統や風土を映し出し、まさに芸術の秋にふさわしい、色彩と情感、詩情に溢れたものばかりです。今回のおすすめ絵本「すずの兵隊さん」は、「童話王」と呼ばれたアンデルセンの代表作の一つ。生まれつき足が一本しかない、すずの兵隊の長い旅路を描いた物語は、作者の人生観を色濃く投影した傑作です。イタリアの画家マルチェリーノの絵は、非常にクラシカルで格調高く、この作品の魅力を余すところなく伝えてくれます。どうか、それぞれの絵本を手に取っていただき、ヨーロッパ絵本の詩情をたっぷり味わいながら、秋の一日をお過ごしいただけたらと思います。

22日(土)午後、詩のライブ「今、声にのせて届けたい詩集」が開催されました。当日は、天候が不安定で、公演中に雷鳴が聞こえる一幕もありましたが、朗読の Hirokoさんと、ピアノの倉さと子さんによる、力強いパフォーマンスにすっかり魅了されました。朗読されたのは、日本を代表する女性詩人、茨木のり子さんの「おんなのことば」からの前半18篇。有名な「自分の感受性くらい」や「私が一番きれいだった時」などを含む、彼女の代表作と言える詩集です。海外のドラマスクールで学ばれ、長く演劇の指導もされてきた Hiroko さんの朗読は、まさに変幻自在。スピード、声色、読みの表情など、本当に多彩で、詩を文字で読むのとは全く違う体験をさせていただき、「朗読」という表現芸術の大きな可能性を改めて感じました。また倉さんの奏でる、一篇ずつの詩の朗読に合わせて作られたというピアノ曲も、朗読と同様、とても変化に富んでいました。後で楽譜を見せていただくと、本当に書かれている情報は少なくて、まさに即興の醍醐味を味あわせてくれました。秋の休日を、素晴らしい体験で満たしてくれた、Hirokoさん、倉さと子さん、そして温かな気持ちで耳を傾けてくださったご来場者の皆様、本当に有難うございました。

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2024.05.21 Tuesday